HPが完成して早や2ヶ月。
「磯紹介」だけが未完成であった。
気になりつつも、ずっとサボっていた。
作りたいページを想像する。時間がかかるのが目に見えている。
気が重くなるのも当然であろう。
重い腰をあげる。
磯全体のイラストはできた。
いよいよ本命の「磯の写真」だ。
他の渡船屋さんはあまりやっていない、磯の「航空写真」を撮ろう。
福洋丸の娘美和ちゃんに「磯の航空写真撮りに行くねん」と話すと
「私も行きた~い」。
では一緒に行きましょう。
白浜から南紀航空㈱のセスナに乗る。
二人とも家族には内緒で来た。
セスナに乗るなどと言ったら怒られるに決まっている。
受付を済ませ、
「もう思い残すことはないね。でも、もし海に落ちたらがんばって泳ごうな」
「墜落したら私の脂肪、よう燃えると思うわ」
出発前、パイロットさんに窓を開けて撮ってもいいかと聞く。
やさしいパイロットさんの答えはノー。
窓をあけてもいいのは、プロのカメラマンのときだけだそうだ。
確かに。残念だけど仕方ない。
セスナの窓ガラスが反射しませんように。
エンジンがかかり、パイロットと管制官が英語で話している。
セスナでも管制官とやり取りするんだ。・・・当然か。
いよいよ離陸。
東京行きのジェット機と同じ滑走路なのに、こんなにも景色が違うとは。
上がってる上がってる。おおお、素晴らしい。きれい!
「おおお~、きれい~!」
パイロットの隣に座っている美和ちゃんも興奮している。
あっという間に見老津上空へ。
あらかじめ希望を伝えていたので、見老津の磯の上を旋回してくれる。
きれいだ。見老津の磯は抜群にきれい。
この景色、切り取ってみようぞ。
3回目の旋回が終わり、
「では帰りますね~」とパイロットさん。
「は~い、ありがとうございました!」とファインダーから顔を離した途端、
ウッ、気持ち悪い・・・。酔ってる・・・。
撮っているときは夢中で気が付かなかった。
美和ちゃんは、変わらずキャッキャと帰りの景色を楽しんでいる。
早く、早く白浜に着いてくれ。
椿を過ぎ、滑走路が見えてきた。
助かった。早く降ろして。
「では、円月島まで回りますね~」
ひょえ~!!降ろして降ろして、そんなんええから、早よ降ろして。
親切なパイロットさんは
「はい、三段壁ですよ~」
「白良浜ですね~」
「円月島ですよ~」
と、サービス満点で白浜の名所上空を飛んでくれる。
後部座席のYはすでに仮死状態。
ようやく、白目をむき、よだれを垂らすYに気づいた美和ちゃんであった。
酔ったけど楽しかった。
家に帰り、磯から帰ってきたお客さんに
「セスナ最高。もしビルゲイツくらいのお金持ちになったら、
毎日セスナに乗りに行くっ!!」
というと、
「あんだけの金持ちになったら、セスナなんか乗らんでもジェット機買えるやろ」
はい、そのとおりです。
こんど乗るときは、カメラなしで景色だけを楽しみたい。
Y